劇団☆新感線 『五右衛門ロック』 8/22公演
- 2008年8月23日 20:35
- By:なおか
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鳴りやまないスタンディングオベーションの中で、久しぶりに大きな感動に身を包まれていた。数年ぶりに観た劇団☆新感線の公演は、素晴らしいものだった。
...と、らしくない書き出しで始めてみたが、今回の「五右衛門ロック」は、チケットがとれた瞬間から、ずっとワクワクしてこの日を待ち望んで来たのだ。
新感線のステージそのものも楽しみだったが、北大路欣也さんをはじめ、江口洋介さんや松雪泰子さんがどんな感じで新感線に絡んでくるかも見どころの一つだった。
というわけで、感想文を書いてみる。
作品そのものは、新感線のオーソドックスであるいのうえ歌舞伎+ダンスステージ+ロックライブ+芝居を、ルパン三世をオマージュして仕上げた、という表現がふさわしい。これらが非常に高い次元で融合されていて、最初から最後まで息つく暇なく進行する流れは最高に見応えがあり、気持ちよかった。この作品は、紛れもなく昔夢中になって観ていた新感線の作品、つまり、大人が真剣に漫画や御伽話の世界を演じる、というやつだ。
そして、何より重要な、音楽。生バンドの演奏に合わせて次々と変化するステージ、この雰囲気は、この劇団にしか出来ない恐ろしくゴージャスなものだ。もちろん音楽の好みがあるが、ロック〜メタル調を中心に、やや演歌寄りだったり民俗寄りだったり、多彩といえば多彩。多くの登場人物に持ち歌があり、会場のテンションをどんどん高める。中には江口さんのソロや濱田マリさんと橋本じゅんさんのデュエット(?)など、それぞれの個性を十二分に活かした歌もあり、音楽だけでも非常に楽しめた。いずれにしても、ストイックにメタルな曲を使い続けてきたこの劇団としては理想的なスタイルだろうし、これはもうロックライブ以外の何ものでもないのでは?と思えるほど。でも、北大路さんは、歌わないほうが良かった、と思う。
兎に角、ルパン三世なのだ。古田新太さん演じる五右衛門(=ルパン)と江口さん演じる岩倉左門字(=銭形)、松雪さん演じるお竜(=峰不二子)の三つ巴を中心に物語が進み、そこに、痛快さと笑いと涙が絶妙に組み合わさる。そして、決めるところはビシっと決まり、爽快この上ない。それぞれがはまり役で、ドラマでしか観たことのない江口さんと松雪さんだったが、どちらも素晴らしい演技を見せてくれた。特に、松雪さんは歌もダンスも芝居も強烈なインパクトがあり、単純・悪党・正義感・情が深い・コミカル・妖艶といった表情を場面毎に見事に切り替えて魅了してくれた。声も非常に良かった。後でパンフレットを読んだら「峰不二子です」と明確にキャラクターイメージを伝えられていたらしく、そういう意味では当にその通りの役作りが出来ていたのだ。
予想外に良かったのは、森山未來さん。立ち回りのキレやダンス、歌、どれをとっても見応えがあり(一部上手く入り込めていない場面もあったが)、非常に光っていた。未熟さと力強さと精神的な弱さ、そんなナイーブな表現がとても良かった。
そして、北大路さんだ。この人には、冗談ではなくオーラが見えた。重厚な演技と佇まいはその存在だけで物語りを深く重くしてくれ、強烈な存在感は圧倒的だった。贅沢と言えば贅沢すぎるキャスティングだが、この人がパズルピースとして嵌ることにより、コテコテの新感線作品の完成型を見せてくれたような気がする。でもやっぱり、この人には歌わせなくてよかったと思うのだが。
物語終盤、五右衛門、左門字、お竜、カルマ王子がそれぞれ名乗りを上げるシーンあたりがクライマックスとなるのだが、もう、そのシーンまでのテンションの盛り上がりは、文字通り、痺れた。笑いと感動がひたすら押し寄せて来て、見てる側も完全にトリップ。
そして、最後のシーンは、なんというか、もう、ルパン三世的お約束中のお約束、みたいな感じで、物語が幕を閉じた。
カーテンコール終了時には、冒頭にも書いた通り、スタンディングオベーションとなり、拍手が途切れることが無かった。出演者が2〜3回出てきた後、一度はステージの照明が消えたが、その後も拍手は鳴りやまず、更に2回舞台に登場した。会場が文字通り一体となった、当に最高に贅沢で最高に馬鹿馬鹿しい「ライブ」だった。
本当は粗筋やネタバレも色々と書きたいのだが、私の表現力では伝えることが出来ないと思うので、感想だけに止めておこう...。
あ、そうそう、私が好きな新感線の右近さんは、今回もはまり役で登場。この人の役はコミカルな悪役というイメージにもれず、川平慈英さんとの絶妙なコンビで楽しませてくれた。
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