延命中止は是?非?
- 2007年5月23日 01:07
- By:なおか
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- Category:health | news article
和歌山県の病院にて、延命措置を中止する目的で【脳死状態】になった患者の【呼吸器を外した医師】が、【殺人容疑】で書類送検された。この患者は脳内出血の術後の経過が悪く、脳死状態となった訳だが、家族は呼吸器を外してほしいと依頼。医師は【2度にわたって断った】が、懇願されたため延命処置を休止したとのこと。
この話の論旨を判りやすくするため、キーワードとなる部分に【】を付けてみました。
相変わらず進歩の無い話ですが、まず第一に、何故こんなことをニュースとして取り上げるかに大きな疑問が生じます。騒ぎ立てるような話ではないし、静かにしておけばいいのに。
【脳死状態】
脳死状態の患者の扱いに関しては、解決の難しい問題が多く含まれています。その中でも、人間としての生命の終焉をどのタイミングで切り分けるか、患者の意志の所在がどこにあるか、という問題は、きちんとした法で定められていない現在、非常にデリケートな部分が多いです。
単純に生命として見れば、完全に生命活動が停止した段階で死となるわけですが、今回のように「患者が苦しんでいると想像できる」場合、それでも生命の存続が必要かという点は、限りなくグレーです。少なくとも私自身だったら、脳死となったら死んだと見なして欲しいです。これは、私自身の生命の尊厳と思うので。
但し、安楽死(延命中止)の措置を行うケースとしては、既に本人の意思確認がとれない状況なので、このことが問題となるのです。つまり、どれだけ患者と親しい立場にいようが、患者の日常を知っていようが、第三者がその意志を示したところで、「本人の意志の尊重」が為されていないと受け止められるケースがあるということ。
でも、本人が意思表示出来ない以上、本人の意志を証明する何らかの方法が必要なのです。でなければ、本人が(意思表示は出来なくとも)安楽死を本当に望んでいるにも関わらず延命処置が行われるという結果になってしまうので。
この問題は、法的に未整備(というより、ここ数年進歩が無い)なこともあるので、本当に厳密な規定を設け、この問題に解決出来る手段を設けて欲しいと思ったりするわけです。
【呼吸器を外した医師】と【殺人容疑】
「殺人容疑」という厳しい表現にそもそも疑問を感じますが、そのことについてはとりあえず考えないとして、医師を殺人容疑とするなら、当然家族も殺人容疑とすべきです。そして、対象は既に世を去った患者です。仮に家族が容疑から外れるとして裁判沙汰になった場合、医師vs死亡した患者の家族、という図式になりますが、これはどちらも延命中止に関わっているので話になりません。
今回のニュースを見て、この医師に対して「こいつは殺人者だ!」と思った人は、果たしてどれくらいの割合になるのでしょうか?「やむを得ぬこと」「この場合は仕方ないのではないか」と思う人の割合の方が多いと思うのですが。つまり、大多数がそう思ったところで、法律が民意を汲んでいないがために、このようなギャップが生じてしまうのだと思うのですが。
「殺人容疑」って、余りに残酷な表現だと思うのは私だけでしょうかねぇ。せめて、「病院内のルールを守らなかった」等の表現に止めておき、本気で殺人容疑をかけるのであれば、医師個人にではなく、病院そのものにかける必要があると思います。
【2度にわたって断った】
家族の懇願を断りつつ、最終的に家族の要望を受け入れた。患者が脳死状態にある時、患者の意志を代弁し、責任をとれるのは家族だけだと思います。懇願されて折れた医師の意志にも問題があるかもしれませんが、どこまで責めることの出来ることなのでしょう?
医療は、患者本人の意志と生命を尊重することが大原則なので、取り扱いの難しい問題ではありますが、十年後、二十年後には少しでも進歩していてくれたらいいなぁ、と思う次第です。
でもまぁ、これだけのことを書きつつ、私自身が「延命中止は是?非?」と問われても、当然軽々しく是とは言えないのですけどねぇ・・。
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